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聖地エルサレム滞在記


世界3大宗教の聖地があるエルサレムという町での生活を、思いつくままに日々綴っております。
by yabani2
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Visiting destructed Gaza...

昨年末から今年初めにかけて、約3週間にわたってイスラエル軍による空爆及び地上侵攻が行われ、1,300人以上が犠牲になったガザ地区を訪れることができました。


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ボロボロに破壊された建物がガザ地区一帯にわたって見られます。

ちなみにこの建物は、法務省の建物です。

1月中旬にようやく空爆が止んでからすでに約4ヶ月が経ちますが、まだ破壊されたこのままの状態で残されていました。



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こちらも政府の庁舎です。

大きなコンクリートの塊が上の方から釣り下がっていて、とても危険な状態です。

でもこのままの状態で放って置かれており、その周りを人々が普通に歩いています。

こんな危険な状態でもこのまま放って置かれているその背景には、ガザ地区がまだイスラエル軍によって閉鎖されているという悲しい現実があります。



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ガザ地区は、未だイスラエル軍による厳しい封鎖常態の中にあります。

ガザに住んでいる人は、特例で無い限りガザから出ることが許されていません。

ガザの外に住んでいる人は、ジャーナリストや援助関係の仕事をしている外国人を除いて、ほとんどガザ地区に入ることは許されていません。

また、封鎖は人だけでなくモノにまで及びます。

セメントや重機は軍用に使われる恐れがあるという理由で、ガザに入れることは出来ません。

この厳しい封鎖は何も今年に入って始まったわけではなくて、過去2年ぐらいずっと続いています。

このような理由から、ガザの復興はほとんど進んでいない状態なのです。



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しかし、ガザの人々はイスラエルが国境を開いてくれるのをいつまでも待っているわけにもいかず、とりあえず毎日の生活を生きていかなければなりません。

空爆でボロボロに破壊された家から、少しでも自分たちの思い出が詰まったモノを持ち出そうとする人たちが、自宅の瓦礫の下に埋まっているものを取り出そうとしていました。



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ガザへ行って一つ思ったことがあります。

ガザの雰囲気は、イエメンの雰囲気に少し似ているということです。

それは半分破壊されたような建物がそこここにあったり(イエメンの場合は半分建てかけのようなビルですが・・・)、まだまだロバが日常的に使われていたりするという目に見えて分かることだけではなくて、人々が絶望感の中でもとても人懐こく、その心の暖かさがイエメン人に通じるものがあったような気がしました。

自分たちの日々の生活がとても大変なはずなのに、「うちでご飯を食べてい行け。」と誘ってくれる人がいたり、道端で有無を言わさずジュースを買ってくれる人がいました。



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そして、カメラを向ければ一瞬にしてカメラの前に集まってくるこの子供たち

彼らの興奮ぶりはものすごかったです。

あまりにものすごくて、近くにいたおじいさんに怒鳴りつけられていました(←そこがまたイエメンぽい・・・)。

彼らが大きくなる頃には、ガザの状況が少しでも好転していることを願うばかりです。

by yabani2 | 2009-05-26 05:27 | パレスチナ